11月の「テレワーク月間」に先立ち、7月24日にはテレワークを促進させるための「テレワーク・ディ」が開催された。「働くを、変える」をスローガンに内閣府などが旗振り役となって推進し、当日は企業など554団体がテレワークを実施した。7月24日という2020年の東京オリンピック開会式に合わせて行われた取り組みから考えられる、テレワークがもたらす効果とは。

滞在者が減ったのは豊洲エリアと品川エリア

 7月24日、東京オリンピック・パラリンピックを契機とした働き方改革の国民運動として「テレワーク・ディ」が実施された。総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、内閣官房、内閣府が主導し、東京都及び経済界と連携して行われた大規模な取り組みで、554もの全国の企業や団体が参加して、テレワークを実施した。

 このテレワークはどんな影響を生み出したのだろうか。民間の調査会社大手のインテージでは「テレワークが多く実施されていれば、出社時間帯の人口が通常より少なくなる」という仮説のもと、ビッグデータ分析を行った。

 具体的には、ドコモ・インサイトマーケティングが提供する「モバイル空間統計」のデータを用いて、オフィスワーカーガ多い東京都心部の出社時間帯における人口統計を分析。5月の平均データとテレワーク・ディ当時のデータを比較して、テレワークの影響がどこに、どう出たのかを明らかにするものだ。

 人口動態の変化は「人口減」という現象として現れる。テレワーク・ディ当日の朝9時台の滞在人口が減っていれば、その分テレワークをしている人がいるということになる。実際の分析結果によると、東京23区でもっとも滞在人口が減ったのは、豊洲エリアと品川エリアだった。

インテージが2017年7月24日(月)に実施した「テレワーク・デイ」に関連したビッグデータ分析より。参照:https://www.intage.co.jp/topics/news/20170831

 豊洲エリアでは5月の平均滞在者人口13,248人が11,008人になり、2,240人減少した。品川エリアでは23,343人が21,407人になり、1,936人が減少している。これに半蔵門エリアが続く。人口減少が多かったエリアのトップ10では、いずれも約1,400人以上の人口減少が見られたという。

 さらに世代別、滞在者居住地域別に見ると、減少が最も多い世代は豊洲エリアも品川エリアも40歳代であり、豊洲エリアは都区内から、品川エリアは神奈川からの流入が最も減少していることがわかった。