政府から働き方改革の対応を迫られながらも、自社のワークスタイル変革の第一歩をどこから踏み出せばいいのかと、頭を抱える企業は多い。少子高齢化による労働人口の減少や、企業競争力の低下といった差し迫る危機から、その必要性を感じていながらも、染み付いた習慣や企業風土を変えることは、一朝一夕に成し遂げられないことは明らかだ。
政府が求める「労働者を取り巻く環境の変化」「正規労働者の長時間労働」「ワークライフコンフリクト」「非正規労働者に対する雇用」の4つの問題を解決するために、具体的に企業は何をすればいいのだろうか。富士通のサービス&システムビジネス推進本部 モバイルビジネス推進統括部 第一ビジネス部でシニアマネージャーを務める松本 国一氏に話を聞いた。
ワークスタイル変革のパートナーに富士通が選ばれる理由とは?
——多くの企業が積極的にワークスタイル変革へ取り組む背景は、政府からの要求が大きいのでしょうか。
そうですね。政府からは、長時間労働の抑制、年次休暇の取得促進、柔軟な働き方の実現、短時間労働制度の普及などさまざまな要求があります。しかし、労働時間に対して仕事をする“時間裁量性”が当たり前だった、従来の日本的な働き方のままで取り組もうとしても、なかなか難しいという現状があります。「いきなり『仕事の効率化を進めて、働く時間を短くしなさい』と言われても、実際どうすればいいのかわからない」と、ご相談をいただくケースが多いですね。
一方で、企業のトップ自ら「ワークスタイル変革を進めるべき」と考えて動こうとしているところもあります。その場合、新しい働き方の理想像がすでに固まっていて、実際の取り組みの方法を具体化したいと、お声がけいただくケースですね。一年前までは、我々にご相談いただく前に、ワークスタイル変革専用のワーキンググループを作っていたり、専門組織を立ち上げていたりする企業は非常に少なかったのですが、最近は半数以上が自社で取り組みをスタートさせているという状況になってきているので、ワークスタイル変革が企業が取り組むべき喫緊の課題だという認識は、浸透してきているように感じます。
——企業が自社内のワーキンググループだけで完結せず、御社に相談される理由は何でしょう。
ひとつは、富士通が2008年くらいからワークスタイル変革に取り組んでいるので、数多くの実績があるからでしょうね。「まずは事例を教えて欲しい」というご要望を非常に多くいただきます。もうひとつは、富士通にはコンサルのような富士通総研や、全体的なワークスタイルのデザイニングができる富士通デザインなど、IT・運用・インテグレーションといった、さまざまな角度からワークスタイル変革をご支援できる体制が整っているからだと思います。関連部門が保有するナレッジやソリューションを惜しみなく活用していただけるのは、富士通だけの優位性だと自負しています。
加えて、ワークスタイル変革の直接な要素ではありませんが、富士通では「FUJITSU Mobile Initiative」というモバイルデバイス活用に最適解を提供する製品・サービス体系をご用意していますので、お客さまに必要なものを選びながら、イージーオーダーのような形でご提案できるところも喜ばれていますね。
我々は企業がワークスタイル変革について検討を始める初期段階から、具体化するためにどうすればいいのか、どんなツールやサービスを利用すべきなのか、導入後の運用や定着化に至るまで、一気通貫でいろいろなご支援ができますし、我々のような第三者を入れていただくことで、ワークスタイル変革を進める上で生じがちな社内のコンフリクトを緩和する働きも担っていると思います。
“現場を知ること”から始まる富士通のワークスタイル変革
——御社の「FUJITSU Digital Transformation Center(以下、DTC)」について教えてください。
DTCはデジタル革新に向けたデジタルワークショップ空間です。ワークスタイル変革に限った話でいくと、コミュニケーションの取り方、社内規定、情報共有のルール、お客様との対応の方法といったノウハウのようなものまで、各企業どころか各部署でもバラバラな働き方の現状を見える化するところから始めなければなりません。ところが、ワークスタイル変革を検討しているチームやワークスタイル変革の命を受けた 部門の方たちが、現場をすべて理解できているかというと、決してそうではないはずです。
そこで、ワークスタイル変革を担う人だけではなく、現場の営業、社内制度を作る人事・総務、決裁権を持つ経営者層など、さまざまな部門の方にDTCに集まっていただき、富士通とお客さまが一体となって2時間のデジタルワークショップを行っています。
——ワークショップのなかでは、どういったことが行われるのでしょうか?
まずインスピレーションカードという500枚のデジタルカードの中から、「これがあれば自分たちの働き方が変わる」と感じるものを選んでもらい、ひとりひとりそのカードを選んだ理由を話していただきます。これによって、今できていないことが見えてきて、効率化のアイデアが現場からどんどん出てきます。それを見た経営層の方は、現場の変革イメージを掴んでいただけるため、スムーズに投資判断を行えるようになりますし、人事部門の方は現行の制度をどう変えれば実現できるのかといった思考に切り替えることができる。みなさんの認識を合わせてもらい、あるべき姿=ワークスタイル変革のビジョンを描くお手伝いをしています。
——DTCに足を運ぶ最大のメリットは何ですか?
ワークスタイル変革を社内プロジェクトとして取り組もうとすると、結局は仕事の延長線上になってしまい、どうしても既成概念に縛られた内向きの思考に陥りがちです。DTCはカフェのような落ち着ける空間になっているので、社内の立場は関係なく自由に発言いただけることが、ひとつです。
また、通常のワークショップでは紙に文字を書いて発表するものが多いですが、それでは自分のアイデアを言語化できない人の意見はないものとして扱われてしまいます。その点、DTCのデジタルワークショップでは、カードを選ぶところからスタートするので、自分のイメージが具体的に言語化できている必要はありません。カードをきっかけにファシリテーターが言葉を引き出していきながら、簡単に共通認識を持っていただけるのも大きなメリットです。
ワークスタイル変革は誰もが必要だと頭ではわかりながらも、理想的な働き方は人によってさまざまだ。多様な価値観をまとめるためには、互いに理解し合うことから始める以外に成功への近道はない。ワークスタイル変革の第一歩、ぜひFUJITSU DTCに足を運ぶところから、始めてみては?
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